「咬み合わせ」といいますと、上と下の歯の当たり具合と思っている方も多いと思いますし、また歯科医にもそのように理解している先生も多いと思います。
しかし、実のところ「良い咬み合せ」とはそのように歯だけを眺めていても判断が付かないのです。
「良い咬み合せ」とは簡単に言いますと、顎の関節のいい状態で上下の歯がキチンと咬み合い、また前後左右に下の顎を動かした時に上下の前歯が当たって奥歯がすくと言う状態です。
さて、咬み合せが悪いとどうなるのでしょう。
人は、夜寝ている時に96〜98%の方が、生理的に歯軋りをします。
この歯軋りをすること自体は問題ではありません。
ただ、この歯軋りを行なう際、咬み合せに問題がありますと、破壊的な咬み合わせのストレス、すなわち破壊的な力が発生してしまいます。
その破壊的な力を受けた歯がもちろん破壊されて行くのですが、その破壊の一つの結果として歯の回りにある骨がダメージを受けると言う事があるのです。
良く歯科医の間でも「歯周病タイプの人と、虫歯タイプの人がいる」などと話題になりますが、すなわち虫歯にあまりならず「自分は歯が強いんだ」と言う人に限って歯周病がひどくなったりすると言う事があります。
これは夜間の歯ぎしりの力が、歯の弱い人なら歯を壊して破壊的な力が発散される(これが、虫歯の根本原因になります)ところが、歯が丈夫な人の場合、歯の周りの骨を壊して破壊的な力が発散されることになるからです。
「でも、私は虫歯が多かったのに、歯周病になってしまった」と言う方もおられるでしょう。
そうした方の多くは、虫歯の治療をする過程で、歯に固い金属の冠をかぶせたりするうちに少しずつ噛み合せが悪くなり、歯軋りの際に金属の冠は破壊されずに、歯の周りの骨に破壊的な力が加わるようになったという事でしょう。
まとめますと、いくら歯周病を治そうとしても、夜な夜なの歯ぎしりで歯の周りに破壊的な力が加わると、せっかく治りかけている歯周組織も破壊されてしいます。
昔から「傷口はさわらず放っておけ」と言いますが、それは歯周病にも言える事なのです。
では、どうしたら歯周組織に破壊的な力を加えないで治癒をすすめることができるのでしょうか。
方法はあります。
大前歯科医院では、独自に咬み合わせを調整したマウスピース(当院ではオクルーザル・プレートと呼んでいます)を用いた治療が行われています。
それにつきましては、また後ほど説明いたします。