【撮影担当者より】

 このコーナー写真撮影を担当しました、大前歯科医院の事務長です。入れ歯を実際に作っておられる歯科技工士さんの仕事ぶりをお伝えしようと写真撮影をさせていただいたのですが、これだけ写真を並べただけでは、どうしても最もお伝えしたかった部分が伝わらないと感じましたので、このようなページを書かせていただきました。

 ここで最もお伝えしたかったこと、それは、歯科技工士さんの、私の想像を超えた入れ歯作りに対する情熱とエネルギーでした。

「精密作業用模型トリミング行程〜ロウ義歯完成」の撮影は、7時間に及びました。
 私はずっと傍らにいて、じゃまにならないように「匠の技」を見せていただきながら、シャッターを切っていました。その高密度な作業の、流れるようなスピードと精確さと、無駄のない手の動きの美しさについ見とれてしまい、稚拙な私では、シャッターチャンスを逃すことたびたびでした。

 見ていて、全く飽きません。すごい速度で形のないところから「入れ歯」が作られていくのを見ているのですが、気が付くと驚くほどの時間が経っている、という感じでした。それが、これだけ写真を並べても、その万分の1も表現できていないばかりか、「簡単に作れそうな感じに見えてしまう」のが残念でなりません。

 今回は、治療用総義歯の調整を終えた患者様の、快適超精密総義歯製作のプロセスを撮影させていただいたのですが、すでに技工士の頭の中には半年にわたる患者様とのおつきあいと調整の過程から、その患者様のお口にとっての理想的な入れ歯の最終的な形態が完全にできあがっていて、それを実際に形にしていくだけだと伺いました。

 はじめの方のロウ堤製作行程あたりは「面白そうだなあ、一度やってみたいなあ」と興味津々で見ておりましたが、人工歯の植立配列行程で、何もない空間の基準位置に合うように人工歯をすごいスピードで植え込んでいるのを見ると、とても自分にできるものではない神業のように見えてきます。
 遠方からお越しの患者様のため、絶対に失敗の許されないという緊張感と集中力、そしてより良いものを患者様に提供したいという技工士の情熱のこもった、見事な仕事ぶりでした。

(実際に、「歯ぎしり運動時精密調整行程」だけでも30〜40分ほど集中して作業しておられ、完成後の担当技工士は、消耗しきっておられました。 撮影の際に時折、作業工程をひとつひとつ説明してくださるために手を止めていただいたこと、申し訳なく思っております。)

 また、この後に続く入れ歯の樹脂成型の作業も撮影させていただきましたが、 工学部出身で精密部品の設計を行っていた私が見ても、「変形を最小限に抑えて超精密な樹脂成型をするには、こうするのが当たり前だろう」と思える程、工学的に理屈が合い、材料学的に最も材料の特性が発揮できる入れ歯の作成システムだと実感しました。

 「大前歯科医院の入れ歯は、多くの専門家と最高の設備が、真剣に持てる能力を出し切って作られているのだ。」と感じさせていただきました。  

撮影担当 大前歯科医院 事務長