眼鏡型モニターに医師の言葉がリアルタイムで映し出され、
患者の不安感を取り除く
聴覚障害の患者に不安なく治療を受けてもらおうと、豊中市服部豊町一丁目の大前歯科医院(大前太美雄院長)が、パソコンと眼鏡型モニターを使って医師と患者のコミュニケーションを図る「パソコン要約筆記」を治療に取り入れている。患者からは、「先生と意志の疎通がリアルタイムで取れるので安心できる」と好評だ。
同医院は1996年12月に開業。以前は聴覚障害者を診察する際には、医師がノートにこれから行う治療の方法などを手書きで説明していた。しかし、この方法では時間がかかる上に、十分に内容を伝えるには限界があった。
「健常者と同じように治療を受けてもらいたい」と考えていた大前院長。そこで、医師の言葉をパソコンで打ち出し、眼鏡型モニターの画面を通じて患者に伝える手法を考えついた。
「それでは治療を始めます。お口を開けて下さい」---。実際の治療では、診察室の隣の部屋で待機するスタッフが、医師の言葉を素早くキーボードに打ち込んでいく。文面は患者がかけているモニターに瞬時に映し出され、治療の進行状況が分かるという仕組みだ。
実際に治療を受けた聴覚障害を持つ男性患者(59)は「これまでと違い、リラックスして診察を受けることができた。非常に快適」と満足そう。
聴覚障害者の患者に対してこのような診察スタイルを取り入れている医院は全国でも珍しい。大前院長は、「患者様の恐怖心を少しでも軽くしたかった。こういった治療がどんどん広がっていってほしい」と話している。